既存のクロス表からの分析

報告書の表

平成31年の報告書には右のような表が掲載されています(一部改変)。
これは「クロス集計表」と呼ばれる形式の表です。
この表は、性別・年齢の組み合わせ別に、投票したかどうかを示しています。
状況が詳しくわかりますが、詳しすぎるせいで、結局どのような人がより投票(棄権)したのかが直感的にはわかりにくいかもしれません。

分析のために言い換えてみよう

そもそも「より投票した」というのはどういうことでしょうか。

性別を男性と女性との2つに分けることが妥当かどうかはともかく、ひとまずその質問を使うとして、「性別と投票参加(投票したかどうかを投票参加と呼びます)とに関連がある」という仮説を検証することにします。
性別と投票参加に関連がある、という文は厳密に何を意味しているかを考えると、「性別によって投票参加が異なる」となります。

つまり、男性の投票率と女性の投票率とが異なる、ということですから、これを確かめるためには男性の投票率と女性の投票率とが異なるかどうかを調べる必要があります。また、ここで「投票した」というのは「期日前投票」「不在者投票」「白票」を含みます。

この発想で掲載されている表から作り直したものが右です。

グラフの活用

これは「率」ではなく「人」の表になっているので、本来なら計算して「率」にする必要がありますが、性別によって異なるかどうかを簡易に確かめる方法がグラフです。帯グラフを使ってみましょう。

やってみよう

「シルバー民主主義」?

最近、「若者の投票率が低い」ことが問題になっています。この「若者の…」というのはつまり、「それ以外の人に比べて、若者の投票率が低い」ということです。

言い換えれば、「年齢によって投票率が異なる(しかも、若者の投票率がそれ以外の者の投票率よりも低い」となります。

……よくわかりません。

でも、「若者」って誰のことでしょうか?ここでいう「若者(若年層)」というのは「30代以下」を指します。また、いわゆる現役世代(定年年齢までのことをいいます)と定年後世代とは分けたほうがいいかもしれません。

年齢層をまとめた表が右にあります。

さて、「シルバー民主主義」でしょうか?

答えにつながるグラフはこちら

データはこちら(xlsxファイル